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三重県四日市市・三重郡川越町の今日も頑張る中学生のお子様を持つお父さん、お母さんへ27

「"あとでやる"が、今日の敵。小さな始まりが、後延ばしの鎖を断ち切る。親が一緒に"最小行動"を設計できれば、子どもの"やる力"は自然と目覚めます。」

1|なぜ「あとでやる」が習慣化してしまうのか?
(理由)
1.感情的な抵抗と"やりたくない心理"が先に勝つ
心理学的には、やりたくないタスクに対する内的抵抗----不快感・不安・失敗の恐れなど----が「先延ばし」の根源になると言われています

2.タスクが大きすぎて腰が重くなる
漠然と「宿題をやる」「復習をする」と言われても範囲が広すぎると、どこから手をつけたらいいか迷い、動けなくなってしまいます。小さく分けることが大切です

3.決断疲れと意志力の枯渇
1日に何度も意思決定を繰り返すと、意志力は消耗します。やるべきことを自分で考え続けること自体が先延ばしの原因になるという指摘があります

4.完璧主義や恐れが動きを止める
「完璧にやらないと意味がない」という思い込みが、始めることを怖がる心理を助長します。完璧でなくても進めることを許すスタンスが要です

2|"あとでやる"を防ぐ5つの実践ステップ(方法) 下記ステップを、親子で一緒に少しずつ取り入れてみましょう。

① まず「5分だけ」始めてみる
たとえ5分でもいいからやってみることで、抵抗の壁を破る一歩になります。心理学的には、始めること自体が先延ばし防止になり得ます

② タスクを極小に分割する
「数学1問」「英単語3語」など最小単位に分解すると、始めやすく、心理的障壁が下がります

③ 予定を先に書いてしまう(時間ブロック化)
その日やる時間をあらかじめスケジュールに組み込んでおくことで、決断エネルギーを節約できます たとえば、「放課後から30分」「夕食後20分」などブロックしておく。

④ 作業環境から誘惑を排除する
スマホの通知をオフにする・別の部屋に置く・集中できる場所に移動するなど、視覚・聴覚的な誘惑を減らすことで先延ばしを抑えられます

⑤ 自己理解と自分への許しを育てる
先延ばししてしまった自分を責めず、「その日は疲れていたんだね」と受け止める自己慈悲(self-compassion)の態度が、再挑戦のエネルギーを生むという研究もあります

3|具体例:中1女生の「あとでやる」パターンへのアプローチ ステージ 親の支援 子どもの行動

① あとでになりがち 「まず5分だけやってみようか」と提案 5分だけ教科書を開く
② 小分割タスク 「英語 単語3語+文法1文」などに区切る 小さな達成を重ねる
③ 時間ブロック 「夕食後20分は勉強時間ね」とタイムブロック その時間は他を触らず学習モード
④ 環境整備 スマホは別室、通知オフ 集中しやすい状態を作る
⑤ 信じて待つ 「今日は疲れてたね、明日はどうする?」と声掛け 自己反省しながら再スタートを決める

4|"先延ばし"を乗り越えた先にある可能性(可能性)
1.小さな一歩が習慣をつくる  5分から始める習慣が、30分、1時間へと伸びていく階段になります。
2.自己効力感の再構築  「やればできる」という感覚を取り戻すことで、自信が戻ります。
3.毎日を能動的に使えるようになる  先延ばしせず動ければ、余裕をもって復習・見直し時間を積めるようになります。
4.受験・将来でも役立つ自己管理力  先延ばしを克服するスキルは、高校・大学・社会生活においても強力な財産になります。

締めの言葉
「あとでやる」は誰もが一度は使う言葉ですが、それを繰り返すと未来への時間が奪われてしまいます。しかし、小さな一歩、明確な設計、優しい自己理解があれば、先延ばしの呪縛は解けます。 親としてできることは多くありませんが、一緒に"始める仕組み"を作ること、その過程を褒めること、環境を整えることだけでも、子どもの"行動できる力"は確実に変わっていきます。ぜひこの言葉を胸に--「今日の5分」を親子で設計し、未来への前進を支える一歩を始めてみてください。

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